
フレキシブル基板
フレキシブル基板は薄いフィルムなどの材料を利用して作られる、繰り返し変形が可能な柔軟性を持つ基板です。フレキシブル基板の特徴としては基板の薄さ、軽さがありますので、航空・宇宙開発など重量の制限があるものによく利用されています。また柔軟で繰り返し曲げることができるので、様々な電子機器の可動部にも搭載されています。当社ではポリイミド材、PET材、LCPなどフィルム素材を多種扱っております。今まで片面フレキシブル基板、両面フレキシブル基板、多層フレキシブル基板など製造実績があります。特に大型アンテナ用フレキ基板製作は当社の強みとして、多くのお客様のご要望に応えて参りました。
フレキシブル基板材料
1.ベースフィルム材料
ベースフィルムは銅張り積層板の基材となるだけでなく、フィルムカバーレイ、補強板の素材としても利用される。
もっとも多く使われているのがポリイミドになる。ポリイミドはプラスチックの中でも最も耐熱性の高い樹脂の一つで、ハンダつけ工程でも安定した特性を維持できる。寸法安定性や接着性なども他の耐熱性プラスチックに比べて優れている。
欠点:①吸湿性が高く、高温で急激に気化することで、導体ヤカバーレイが剥がれる可能性がある。これを防ぐには予備乾燥が必要になる。
②比較的に高価なためコストがかかる
2.カバーレイ
カバーレイはパターンをカバーするフィルムとして、銅張り積層板に使われているベースフィルムと同じフィルムに接着剤を塗布したもので、温湿度に敏感なので乾燥剤を同封した袋で冷蔵庫に保管しなければならない。
フレキシブル基板の各種構造
片面フレキシブル構造:
フレキシブル基板の基本的な構造も片面フレキシブル構造になる。ポリイミドに貼り合わされた銅箔はエッチングにより回路が形成され、フレキシブルで折り曲げ可能。
両面スルーホール構造:
フレキシブル基板も両面スルーホール構造が必要な場合、回路が両面にあると回路全体が硬くなり、繰り返し屈曲することが困難なので、屈曲部分には片面回路で銅メッキをつけないようにする必要がある。
両面露出構造:
部分的にベースフィルムを除去し、導体の下側からも電気的なコンタクトを取れるようになる構造で、両面に部品のハンダ付けが可能になる。
フレキシブル基板の製造工程

フレキシブル基板の製品例

フレキシブル基板の層構成図

フレキシブル基板の製品仕様
項 目 | 仕 様 |
材 料 | ポリイミド・LCP・ペット材 |
穴経/ランド経 | アスペクト比8 穴径+400μm |
最小線幅(μm) | 標準100/100 条件付き40/50 |
レジスト色 | 緑・青・白・黒・茶 |
シルク色 | 白・黄色・黒 |
表面処理 | Au・フラックス |
フレキシブル基板の特徴
- 柔軟性・耐屈曲性に最適
- 製品の軽薄化が可能
- 機能化が向上する
- 回路形成の自由度がアップする
- 微細配線にも最適
- 小型化が実現可能
- 高密度化が実現可能
- 部品搭載の多様性が広がる
フレキシブル基板材料比較

大型アンテナ用フレキ基板(FPCアンテナ)の特徴
フレキシブル基板の最大の特徴はリジット基板に比べて遥かに薄いことと自由に折り曲げられること、また重量も遥かに小さいことなので、小型の民生品だけではなく、大型アンテナなどにも利用されている。近年大型アンテナ用フレキ基板の受注が増加傾向にある。
- 大型ながら柔軟性を持ち、様々な形状や曲線に対応可能
- 大型ながら薄型で軽量なので、アンテナの軽量化や薄型化が可能
- 高い耐熱性・難燃性があるので、安定した性能をキープできる