高周波基板

いよいよ令和スタート ②誘電体損失と材料の選定

プリント基板製造メーカー伸光写真サービスの笠松です。
今日は令和の初めての出勤日になります~新しい時代の始まりを
感じるのではないでしょうか。
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この文字は小さな基板を並べて作りました。

以前のブログで基板損失(導体損失、誘電体損失、放射損失)
導体損失についてお話ししました。
続いて誘電体損失についてお話ししましょう。

誘電体損失(tanδ、誘電正接などと表現)とは、誘電体に交流電界を

かけると内部で誘電分極(電子分極)が起こり、この分極が電場の
変化に追従できないためにエネルギーの一部が熱になって損失する
現象です。

誘電体によって誘電体損失が異なり、高速シグナル・高周波基材では
この損失が少ない物が好まれます。

また誘電体損失と周波数は正比例します。

安価な基板材料として、紙にフェノール樹脂を染み込ませた紙フェノール
(ベーク)基板があります。
ガラス織布に、エポキシ樹脂を染み込ませたガラスエポキシ基板
(ガラエポ)が多層化に向いている為、多く流通しています。
FR-4というカテゴリーの言葉を聞くことがあると思います。
性能はそれなりに良いのですが、昨今の高速信号、高周波では損失が
大きく、用途により次のような高機能の基材が使用されています。

セラミックスは、誘電損失が少ない為、高周波用にセラミックス含有の
樹脂基板があります。セラミックスを含有している為、誘電体損失は、
上記
FR-4より少ないが固いので加工時のドリル摩耗が早くなります。

それより損失の少ない基板として、フッ素系樹脂基板があります。
誘電体損失の少ないフッ素樹脂中にでも
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、
商標名テフロンが有名)がよく利用されています。
PTFEの特性は非常に良いですが、柔らかく、加工が難しいので、多層化を
得意としてない基板加工会社も多く存在します。

このように各種材料の特性を配慮して、使用用途に合った材料を選定
する必要があります。

基板材料選定にお困りの方は是非お問い合わせください。


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